お知らせNews

健康情報 最近よく耳にする「オーバードーズ」ってなに?

薬は、その目的に合わせて効果的に、かつ安全に使うために、飲む量や回数が決められています。
それを無視して過剰に薬を飲むオーバードーズ(OD)が若い人を中心に広がり、社会問題となっています。

厚生労働省の研究班が2021年度に全国の高校生4万人以上に行った調査結果は、ショッキングなものでした。なんと1.6%(男子1.2%、女子1.7%)もの高校生が、過去1年に「決められた量や回数を超えて市販薬を使った経験がある」と答えたのです。
精神科で診療を受けた患者に関する国立精神・神経医療研究センターの調査では、2014年には10代が依存している主な薬物のうち市販薬はゼロでしたが、2016年以降はトップとなり、2022年には約65%と半数以上を占めていました。
若者に市販薬のODが広がっている背景として、医師の処方箋がなくても購入できること、SNSの普及で情報が手に入りやすいことなどが挙げられています。

「市販のかぜ薬やせき止めなら大丈夫だろう」と思うかもしれませんが、こうした薬の中には、覚せいのように神経を興奮させる成分や、麻薬のように気分をよくする成分が少量ながら入っているものがあります。そうした薬を大量に飲むと、嘔吐や頭痛、耳鳴り、意識障害、さらには肝臓や心臓への障害が起こったり、最悪の場合には死に至ることもあります。また、ODを繰り返すうちに薬物依存に陥る危険性もあります。
国はODの増加を受け、2014年に「ジヒドロコデイン」など依存性のある6つの成分を有効成分とする「濫用等のおそれのある医薬品」に指定。該当する市販薬は、原則1人1個までの販売とし、高校生以下の若者が購入する場合は名前や年齢、使用状況を確認することなどのルールを設けました。しかし近年、規制対象外の市販薬の乱用が広がっていることから、国はさらに販売規制を強化する方針です。

見逃してはならないのは、子どもたちの置かれた状況です。先の厚労省研究班の調査では、ODを経験した高校生は経験のない高校生に比べ、「家族全員での夕食頻度が低い」「大人不在で過ごす時間が長い」「親しく遊べる友人や相談ができる友人が少ない」といった、生活上の特徴がみられました。こうしたことから、さまざまな生きづらさを緩和するために、若者たちはODをしてしまうのではないかともいわれています。
自分が、あるいは家族がODしているのではないかと思ったら、一人で抱え込まずに身近な人に相談しましょう。あるいは厚労省の「まもろうよ こころ」(★)などの専門の相談窓口を利用するのもよい方法です。
なお、ODについてわからないことがあるときは薬局の薬剤師に気軽におたずねください。