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健康情報 鼻水と鼻づまりが続いたら「副鼻腔炎」かも!?

「副鼻腔炎」という病名を知らなくても、「蓄膿症」のことだと聞けば、「昔、子どもがよくかかっていた」と思い出す人も多いのでは。
副鼻腔炎は直接生命を脅かす病気ではありませんが、さまざまな合併症を引き起こすことがあるので注意が必要です。

副鼻腔は、鼻腔(鼻の穴の奥)とつながり、鼻の両側、両目の間、眉間の近くに広がる空間をいいます。鼻の穴から外部に通じているため、細菌やウイルスに感染したり、花粉やホコリなどが侵入してアレルギー反応が起こったりします。それらが原因で副鼻腔に炎症が生じるのが副鼻腔炎です。
副鼻腔炎には急性と慢性があります。通常は、主に鼻カゼなどが原因で急性副鼻腔炎を発症します。このときに早めに治療をすれば、比較的短期間のうちにほとんどがよくなります。しかし、放置したり治療をしても治りきらなかったり、再発を繰り返したりしていると炎症が悪化し、慢性副鼻腔炎に進行します。

副鼻腔炎の主な症状は鼻づまりと鼻水です。鼻づまりは、鼻腔内の粘膜が腫れあがったり、鼻タケ(良性のポリープ)ができたりすることで起こります。鼻汁には粘りけがあり、黄色や緑色をしています。炎症部分が化膿してウミがたまることもあります。
副鼻腔の周りには脳や額、ほお、歯があるため、炎症の起こった場所によっては頭痛・頭重、歯の痛み、ほおや、目の痛みなどが現れます。炎症が脳に及ぶと脳腫瘍や離顔炎が、目に及ぶと眼筋マヒや視力障害が現れる海綿静脈洞血栓症(かいめんじょうみゃくどうけっせんしょう)という重篤な合併症を招くことがあります。
鼻づまりや鼻水が長く続くときは、速やかに受診することが大切です。

副鼻腔炎の治療には、まず薬を使います。炎症のある鼻腔や副鼻腔を洗浄してから薬を注入したり、専用の装置を使って薬を霧状にして鼻腔に送り込んだりする(ネブライザー)局所的な治療のほかに、内服薬として抗菌薬や粘液溶解薬などが用いられます。
薬で効果がない場合は、手術が検討されます。かつては顔面を切り開いて炎症部を切除する方法がとられていましたが、現在は鼻腔に内視鏡や手術器具を入れて鼻タケを除去し、たまったウミや分泌物を排出する内視鏡下鼻副鼻腔手術が主流になっています。
副鼻腔炎の予防や症状改善にはセルフケアも欠かせません。こまめに鼻をかむ、室内が乾燥しないように加湿するなどを心がけましょう。
なお、副鼻腔炎について気になることがある場合は、薬局の薬剤師に気軽におたずねください。